2021年度近赤外線栄養成分測定研究会総会及び講演会(オンライン)を開催しました

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2021年6月9日(水)、オンラインにて「2021年度近赤外線栄養成分測定研究会総会及び講演会」を開催しました。

以下、当日ご質問頂きました内容への回答を記します。

池戸 重信 氏 講演に内容に関する質問事項・回答

栄養表示用のサンプルのテスト頻度はどのくらいが適当でしょうか?(古野 様)

A. 栄養成分表示のための数値の算出方法は、「食品表示法に基づく栄養成分表示のためのガイドライン(第3版 令和2年7月消費者庁 食品表示企画課)
において詳細に示されていますが、分析等の頻度につきましては、「季節間、個体間、期限内の栄養成分等の変動を把握するために十分な数の分析結果」を踏まえることと、「定期的に確認を行うことが望ましい」とされています。

 すなわち、栄養成分表示は、基本的には個々の製品に関するもので、理屈としては個々の製品ごとに分析によることになりますが、それは現実的ではないので、サンプルとして代表的なロットを抽出して分析した数値を使い、また特にばらつき(変動)が多いものについては、「推定値」「目安」という但し書きでも可とするということになっています。

したがいまして、扱っている製品の変動要因(品質に影響しますので当事者は分かっておられるかと思いますが)を考慮して、大幅に変わりそうという時に再分析するということになるかと思います。

また、定期的に分析して、既存の表示値との差を確認しておけば、その製品の特性に応じた「定期的確認」の頻度も分かってくるのではないでしょうか。

いずれにしましても、根拠となるデータを記録保管し、対外的に説明納得してもらう準備をしておくことが大切だと思います。

ところで、公定分析法すなわち手分析は費用も手間もかかり負担が大きいことも事実です。こうした状況の下、短期間で上記の変動や数値の確認が可能となるカロリーアンサーのような近赤外法はモニタリング手法としてきわめて有効だと思います。

①手分析、②計算値、③近赤外法を同時に使って比較し、また相関性を確認した上で数値算出の手法として活用することが重要かつ有効と思えます。
既存の方法としては、JASの品質分析手法としての近赤外法の活用や、排水の総量規制の指標であるCOD手法の代替としてのUV吸収法が認められており、これらも参考にされて、より普及することを願っています。


jwp赤間 発表内容に関する質問事項・回答

カロリーアンサーによる誤差はあるのでしょうか。(山本 様)

A. 測定対象の食品を、適切なモードで測定する場合は、誤差は許容範囲となります。
また、バナナの測定値につきましては、味覚による甘味の評価と、カロリー測定値に、
正の相関が見られることから、測定サンプルの実態を検出、数値化しています。

バナナの測定モードは何モードですか?(森下 様)
A.果実類のアボカド・オリーブ・バナナとなります。

乾燥バナナの測定は何処でしょうか?(森下 様)
A.果実類の乾燥にて測定となります。

果実類のバナナを測定するモードを作る為のサンプル数はいくつですか?(森下 様)
A.測定するモードを構成するサンプル数は、42サンプルとなります。


尚、講演会資料につきましては、会員の方へ公開させて頂いております。
是非、近赤外線栄養成分測定研究会へご入会の程宜しくお願い致します。
ご入会につきましては、近赤外線栄養成分測定研究会 入会案内よりお願い致します。